体には絶対に必要な中性脂肪。しかし多すぎるとこんなことに…
まず、中性脂肪はどういうものであるのか、なぜ下げる必要があるのか人間ドッグの先生から教えてもらった内容とともにご紹介します。 英名ではトリグリセラドと呼ばれ健康診断の結果ではTGと表記されているところもあります。
中性脂肪はその名の通り、脂肪の一種ですが、ただの悪者ではなくそもそも人間にとっては必要なエネルギー源であるということ。低すぎても、体温の維持など体の基本的なコントロールができなくなるので、他の栄養素と同じく、体には絶対必要なものなのです。
しかし、体内で過剰状態となると、使いきれなくなった中性脂肪が皮下脂肪という形で蓄えられます。そうすると、悪玉コレストロール(LDL)を増やし、善玉コレステロール(HDL)を減らす原因となり、心臓病、脳梗塞などの生活習慣病を引き起こす要因になります。
ただし、コレステロールには、上限値を設ける科学的な根拠がないとされ、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から上限値が削除されました。 生活習慣病の因果関係があるのかないのかはっきりしない状態で、(参考:朝日新聞:コレステロール、好きなだけOK?)という記事もでていたため、健康診断の際、「コレステロールは好きなだけ摂取しても問題ないんですよね?」と確認してみたのですが、そんなことはないとのこと。
その後もう少し調べてみると、同じサイトからこのような記事(参考:朝日新聞:コレステロール、好きなだけOK じゃありません)も先に紹介した記事の約10ヶ月後に登場し、摂取したコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響に個人差があるため上限値を外したが、たくさん食べてもいいという訳ではないようです。これに比例する中性脂肪も、同じくですので、やはり暴飲暴食は中性脂肪増加の元ということですね。
中性脂肪値はなぜ下げる必要があるのか?
では、高い、低いの基準となる中性脂肪の上限値(境界領域)はなぜ必要になっているのでしょうか? そもそも、中性脂肪値とは、血液中にある中性脂肪の濃度を数値化したものです。目に見える内蔵脂肪や体脂肪の前段階のものなので 痩せている人でも血中の中性脂肪が多い場合もありますし、ブヨブヨお腹の人でも中性脂肪が意外と低いこともありえます。
この中性脂肪値の基準値、上限は男女とも150未満が一つの基準となっています。これは、検査機関の団体である「日本人間ドック学会」が決めているもので、この値を超えると、私の人間ドックの結果用紙には以下のようなアラートがでてきます。
30~149mg |
正常 |
150~249mg |
要注意 |
251~300mg |
要経過観察 |
301mg~ |
要精密検査 |
ところが、2014年に基準が再定義され、男子の場合198未満に緩和、女子の場合、134未満と逆に厳しくなっています。(参照資料12P目:新たな健診の基本検査の基準範囲 |日本人間ドック学会・健康保険組合連合会)
これは健康診断の結果データを分析し、基準値を超えていても実際は健康だった人が多かったため、その範囲を補正した結果であるようですが、緩和されていたとしても、私のように220あれば高値であるので、やっぱりそのままにはしておけません。
また、この数値はあくまで検査日時点なので、その日低くても安心できないということ。 血液というのは毎日循環するものなので、食べたものや体調によって変わる一時的なものでしかありません。今日上限を超えてなかったとしても、1週間後には200超えという事態も全く不思議ではありません。 あくまで一つのベンチマークとして捉える必要があり、この日低かったからと言って次の日から暴飲暴食という流れだけは避けたいところです。
日本人の中性脂肪値は年齢に従って上昇していく
そもそも中性脂肪を下げる目的というのは「将来やってくるであろう生活習慣病を予防する」ことになります。生活習慣病は年齢が高くなるほど、かかる確率も高くなると言われていますが、それと比例して中性脂肪値も高くなるのでしょうか?
調べてみると、総務省統計局が平成26年に実施した、国民健康・栄養調査第二部38-4で中性脂肪の数値の年齢別の平均値を出していました。(ページはこちらにありますが、エクセルの表なので抜粋)
|
20~29歳 |
30~39歳 |
40~49歳 |
50~59歳 |
60~69歳 |
男性 |
145.6 |
131.7 |
182.1 |
177 |
160.9 |
女性 |
86.2 |
102.1 |
111.1 |
130.2 |
134.7 |
ちょうど、生活習慣病のサインがでてくる40代から高くなり、男性はずっと150の基準値超えをしていますね。女性も更年期になると、脂肪を代謝する分泌ホルモンが減少し、年々高くなるみたいです。
これだけ見ると年齢を重ねるほど、中性脂肪値は高止まりになり、生活習慣病が確率も高くなることと確実に比例していますね。つまり、下げることはもちろんですが、一時的に下がった数値だけにも喜ばず、毎日を通じて、適正値に常に下げ続ける対策をすることが極めて重要なことがわかります。
次に私が実践している長く続けられる中性脂肪を下げる対策方法をご紹介します。